自信は多すぎても少なすぎてもいけない

会社はその大きさに比例するように、大きくなればなるほど色んな人が入ってくる。
何年も様々な社員の仕事ぶりを見ていると、“ちょっと自信が強すぎでは?”と感じる人と、“もっと自信を持って良いのに”と思う人がいる。 大抵の人は、能力を鍛え結果を出せばそれに応じて自信も増えると考えているだろう。
だが複数の人を並べて検証すると、能力や手柄が必ずしも自信と比例していないことに気がつく。


自信は大切だ。ある種の作業、もしくは仕事をするときに自信はその結果を良い方に導いてくれる。
同じ能力を持った人でも自信を失うと、心理的なものが影響し判断力や思考力も低下し本来の能力を発揮できなくなる。
幅30cmの板を床に置いてその上を歩けと言われたら難なく出来る人でも、高層ビルにその板を渡して渡れと言われたら同じようには出来ないだろう。

また、自信は強すぎても問題が起きる。自信が強すぎる人は、確認を怠るからだ。もちろん、そのことはミスを誘発する。
また、自分以下の能力と思える人が自分よりも高い評価を受けた場合、不公平な評価を受けたと感じ、上司や同僚に不満を述べるかもしれない。しかし、それが事実ではなかった場合、周囲の信頼を失うことになる。


自信というのは、努力や手柄の多さよりも“性格”に由来する要素が強いのだ。
それに気が付いた人は、周りの人のアドバイスによく耳を傾け自分が過信していないかどうかを確認しようとするかもしれない。場合と場面によってはもっと自信を持った方がいいということに気が付くかもしれない。


経営者は職業柄、自信の過不足があるとすぐにその結果と付き合うこととなる。
過信した場合、事業の失敗へと直結する。また、出すべき自信を出せないと、人やお金を集めることが出来なくなる。


私はこの「自信に関する問題」を若い管理職たちとよく話す。
リーダーにとっての自信は固定的なものであるべきでない。まるでラジオのボリュームのように可変的であるべきだ。
既に決めたことを実行する場合は力強く説明するべきだが、不確定要素の多い重要な案件を検討しているときは自信を少なめにし、周囲の意見に耳を傾け、自身を疑い、プランBも用意してから決断に望むべきだ。

この時過信すると、リーダーとしての威厳は残るかもしれないが、大きな失敗から仲間を守ることは出来ないかもしれない。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G売掛保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。