部長が出す屋台

ラクーンが全社単位で宴会をやる場合、大抵社内でやる。
100人を超えると入れる居酒屋も限られているし、あったとしても高くておいしくない。(まずい飯を食うほど人生は長くない、、イタリアの諺)
また、大勢でずらりと並ぶ居酒屋も、なんだか刑務所みたいで気持ち悪い。かといってホテルでやると高く、短時間で追い出され、さらに二次会の費用まで必要となる。そんなわけで全社の宴会は社内でやる。

我々がオフィスとして選ぶ建物は、いつも5~6階建てのビルの一棟だ。
そうすると家賃が格段に安い。恵比寿や六本木でワンフロアー借りる場合の1/3~1/4程度の家賃だ。
メジャーでないエリアで中規模のビルを一棟借りすると家賃は激安となる。そしてその中のワンフロアーは、いつもみんなの自由スペースとなる。この自由スペースが時々宴会場になるのだ。また一棟借りをしているので、他の会社の人がいない。音楽を演奏しても肉を焼いてもコロッケを揚げても苦情は来ない。よってかなり自由なパーティーを時間制限なくやることが出来るのだ。

そんなこんなで、若い社員はパーティーの度に盛り上がりすぎるキライがあり、何年か前に部長達からクレームが来た。何かというと、「大きなパーティーがある月は作業に遅れが出る」というクレームだ。
料理の準備とか、バンドの練習とか、仕事そっちのけで夢中になる輩がいるらしい。その頃はみんな若かったので、タイムマネジメントが出来ていなかったのだ。

困った私は、4月の新卒歓迎会はバンド禁止とする。(4月は決算月だ)また、料理も部長たちが作ることにしようと決めた。
部長であればやり過ぎることはないだろう。ついでなので、予算を15,000円/1人として、どの料理が一番おいしかったか新卒達に投票して貰おう。賞金や賞品がなくても、部下から「さすがうちのリーダー!」と尊敬を貰うことができるだろうと。

こういうやり方をするには、他にも理由がある。上司が遊び心を持つ面白い人かどうかは、会社にとってとても重要だと思うからだ。
そのことは仕事の質に影響を与えると考えている。また、話しやすい上司像を形成することにも役立つ。
さらには、「やったことのない未知のもの」、「どこで誰に聞けば良いのかよく分からないもの」とあえて真正面から付き合うことが心の老化を遅らせると思っている。そして、そのような部長がずらりと並ぶ会社こそが若い人が入りたくなる会社だと信じているからだ。

部長達は「はい」と答えるが、顔はうんざり顔だ。そう、中々思い通りにはいかないのだ。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。さらに16年には東証一部に上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。
株式会社ラクーン