管理職の研修5

外部資本を入れてから二番目の事業になるスーパーデリバリーが話題となり、急に人が増え始めた2004年~2006年頃。一番小規模な単位を管理する、チームリーダーという管理職の退職が目立っていました。
チームリーダーというのは、普通の会社でいう係長のような役職です。

幸か不幸か私は退職者とも仲が良い方なので、退職の前後でヒアリングを重ねました。
そうしたところ、「昨日まで同僚だった人たちが急に冷たくなり、飲みや遊びにも誘われなくなった」とか、「月曜日の朝は『金曜の夜は飲み過ぎたね』『週末は楽しかったね』という話を自分以外のみんなでしていることが増えて、疎外感を感じた」などという話を、数人から聞きました。

私は彼らが管理職に“昇格”する前後の教育やケアが重要である、と心から認識しました。



人間性やリーダーシップは1日では変わりません。しかし、肩書きや役職は1日で変わります。したがって、管理職は悩みます。自分が支持されていないのではと。
でも、「部下からの支持に悩むのは、日本中の全ての管理職に言えること」です。自分一人の悩みだと思わずに、共有して一緒に悩みましょう。幸いなことに、若い管理職が悩むだろうほぼ全ての問題を、私は経験済みです。



支持率について悩んでも、それを簡単に上げる方法は存在しません。だからこそせめて、人として道徳的であり、正しい立ち居振る舞いや価値観を身につけるように努力しましょう。
人は正しい人といると安心感を抱きます。

そこで例によって、私はラクーンの管理職マニュアルに幾つかの事柄を書き加えました。



<人に固定的な感想を持ってはいけません>

人は変わるのです。

一般的に、若い人は変わるが年配者は中々変わらないと言われています。
しかし、これは間違いだと思います。年配者が変わりづらいのは確かですが、少々時間が掛かるだけで変わらないわけではないのです。リーダーが人に固定的な感想を持つというのは、とても恐ろしい話です。
それは態度にも表れ、言葉の端々に出てしまいます。それを傍で聞いた部下は、自分もそのように断定的且つ固定的に決めつけられていたらどうしようと怖がるかも知れません。

そして、そのような習慣は人を遠ざけます。



<笑うことは大切です>

管理職というのは、「人に関する問題」と全面的に付き合う仕事です。

それは答えのないクイズのようなもので、まともにぶつかると正面衝突の連続であり、とてもストレスの溜まる仕事です。しかし、楽しそうにしていないリーダーに人は付いてきてくれません。

多少は仕方ないかもしれませんが、いつも笑っていることの大切さを忘れないでください。



<子育てはみんなでするものです>

子供はママとパパだけではなく、社会全体で育てるべきものです。

会社やビジネスに競争があるのは事実ですが、子供のいない人の方がその競争が有利であるというのは間違った考えです。もしそのような風潮があったなら、その会社は「子育てがしづらい会社」であり、社会的に良い会社とは言えません。

リーダーとして、正しい社会的正義感を持ってください。

ママやパパが最も困るのは、子供が病気になった時だと思います。親にとって、これほど集中力を奪うものはありません。速やかに帰れるように、周りが協力してあげてください。
ただし、注意しなくてはいけないのは、子育て中の社員にもキャリアプランが存在するという点です。ただ自由をあげただけでは、「自分は必要とされていないのではないか」と受け取られてしまう可能性があります。

だから、「本人の特性と経験をうまく生かした仕事」を時間に拘束されずに出来るよう、配慮が必要です。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。さらに16年には東証一部に上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。
株式会社ラクーン