営業研修<継続と拡大編>

さらに営業研修は続く。契約はゴールではないのである。
以下、社員研修で使用している社員向けの資料を原文のまま載せていく。


<継続と拡大>

“つかみはOK”ということで、その後しっかりクロージングして契約に至ることができれば、ようやく一息といったところ。
しかし、会社としての利益と先方の本当の満足を考えるならば、その時点はゴールではなくスタートであることに気が付くはずです。
多くの営業マンはここで一安心してしまうので、業績が伸びなくなってしまいます。
ここで慢心せずに、しっかりと継続と拡大に注力しましょう。
新しいお客様を見つけ、その方にアプローチし、信頼を獲得し契約に至るには大変な努力を要し、全過程を考えると莫大なコストと時間になるということをよく理解してください。
新たなお客様を得るには、既存のお客様の取引を増やす場合の何倍ものエネルギーを要するのは説明するまでもありません。
継続と拡大のステップでは1や2と違い、より高度なスキルや人間性が問われるのです。
人間性に関しては採用時にチェックをしているつもりなので、残るはスキルと言うことになります。
相手のことや業界のことをよく勉強して、努力の伝わる営業をしましょう。



■キャッチボールチェックリストの重要性
営業行為は、お客様とのキャッチボールです。
どちらに玉がある状態なのか良く考えて、漏れが起きないようにやり取りを進めましょう。

例)取引がまとまり、商品を入荷することに決まった。しかし、こちらとしては入荷スペースを確保する必要があるので、調べた上で連絡すると伝えて会議は終わった。

解説)この状態に於いて、ボールはこちら側にあると言うことになります。
こちらがこの回答を忘れてしまったら、先方は「きちんとやり取りの出来ない出来の悪い営業だ、付き合いもこれまでにしておこう」と判断しかねません。

これらの漏れを防ぐ為に、(新入社員など)慣れないうちはキャッチボールリストを作るのも悪くない方法です。
大切なのは、これらを記憶に頼ろうとはせずに、メモやノートなど道具を使う努力です。
数字が増えてくれば取引先も増えてきます。記憶を頼っていたのでは確実に間違いの元となってきます。


日付 会議出席者 内容 ボールのある側
10/1 先方:山田課長
弊社:及川 内容説明、検討頂くこととなった。 先方
10/3 先方;山田課長 来社されて、取引が決まる。商品入荷に際して、調査して回答 弊社



■キャッチボールリストを使わない方法
慣れてくると、上記の表はかえって不便です。
何故ならば、普段使っている他の情報共有ツールと連動しないからです。

社内顧客データーベースを使うのもいいでしょう。
ただしこの場合忙しくて忘れたり、ちょっとでも記入ミスがあれば間違いが起きたりすることもありますので、十分に注意が必要です。

これらを防ぐ為に使える方法は、ビジネス4リスト(Actionリスト、Priorityリスト、Don’t Forgetリスト、T0Doリスト)です。



■営業行為の制度を高めるビジネス4リスト
人間の記憶力や想像力は曖昧です。過信することなく、道具をうまく使いこなすことが重要です。

【Don’t Forgetリスト】:「気づき」を倍にする必殺のリスト法。

社内に於いて、提案が苦手な人、なかなかアイデアが出ないと言っている人がいます。
しかし、私から見るとそれらがないと嘆くその前に、ぜひこの方法を試してみるべきです。

何かをひらめく時、実際には殆どが社外に居る時か、もしくは社内にいたとしてもそれは机に向かっていない時です。
掃除機を掛けている時、トイレに居る時、人と会議をしている時。私は特に忘れっぽいので、特別な何かをしないとこれら閃いた事はすぐに忘れてしまいます。
特に会議の時や接待の時に閃いた事は、会話中と言うこともあり簡単に忘れてしまいます。
皆さんは如何でしょうか?何か閃く事はありませんか?そして、それはどこでよく閃きますか?
例えば、電車の中で効率的に出来そうな作業方法を思いついた。
5~10分もすればその「気づき」は消えていきます。
その10分間の間にどういうアクションを起こしますか?
これらの「気づき」を記録する自分なりの手段を確保しましょう。


私が使うDon’t Forgetリストは以下の通りです。

・システム手帳のDon’t Forgetリスト(会議中、宴会中)→過去10年分あります。
・パソコンの付箋紙(PCを使った一般の作業中)
・机の上のメモ用紙
・携帯で自分にメール送信(ベッドの中、電車の中など)

そして、メモった全ての項目に自分なりの結論を持ちましょう。
その時、いいなと思っても数日したら意味のないことに気が付くのはよくあることです。
その場合でも、フェードアウトさせないで必ずチェックを入れて結論付けるのです。



【Actionリスト】→やるべき事をランダムに、思いついた順に書き出したもの。

業務上、やらなくてはいけない事をメモする紙です。
PCの付箋紙や日報の末尾を使うのも手です。
ルーティーン以外で現在自身が抱えている問題を箇条書きにしたものがActionリストです。
これには、プライベートなことも書くことをお薦めします。
「歯医者に行く」、「写真を現像に出す」など。
何故ならば、プライベートなことでも確実に自分の時間を奪うことだし、またその方がこのリストへの使用頻度も高まり、一元管理が出来るメリットがあります。

特にお薦めは、

・Actionリストを前の晩、帰る前に作っておくこと。
→ 次の日の朝、スムーズに仕事が始められます。朝は寝ぼけるので、この時重要性の低い事を何となく始めてしまうと1日の始まりで躓きます。
・特に週の終わりには、来週1週間の予定をよく考慮しActionリストを整理しておくことをお薦めします。そうしておくと、月曜の朝のスタートがとても軽やかです。



【Priorityリスト】→Actionリストを重要度順に並べ替えたもの。

一般的に、Actionリストを書き出してもその日のうちに全部をやっつけるのは難しいことです。
仮に10あるとして、そのうちいつも上から5,6はできるけど下の方が後回しになり、いつまでたっても辿り着かないということが起きてきます。
この時、重要なのは「簡単な順にやる」とか「自分の好きな順にやる」というのを避け、「大切な順にやる」、「儲かる順にやる」を確実に実現することです。
その為に、大切な順に並べ替えたプライオリティリストが必要になるのです。
ただし、プライオリティリストはリストとして存在するわけではありません。
自分で作ったActionリストを、自分なりの方法で上手に管理した状態がプライオリティリストなのです。

・付箋紙を大事な順、自分でやると決めた順に並び替える。
・Actionリストのメモで重要な順にやり、やった順に消していく。

プライオリティは、時々上司や関係する人と相談してこれでいいか?確認しましょう。



【T0Doリスト】

弊社のある社員がいつも日報のお尻に付けているのが、T0Doリストです。
一見、アクションリストと似ていますが、アクションリストよりもポイントが絞られていて、本当に短期的にやるべきこと、特にやることが決定していることを書くのが特徴です。

(参考)―ある社員の11/19の日報より
□To Do’s
・購入数アップ策(他担当者部分フォロー)
・納請書の見直し(未)
・お客様対応について考える(随時)



■結果に関心を持とうとする態度
商品が入荷した。販売した。後はどうでもいいのでしょうか?
もちろん何もしなくても責めを受けることはないでしょう。しかしながら、
マメに結果に関心を持ち、一定期間置いた後、「けっこう売れましたね!」なんて電話すると相手はとても気持ちよく感じると思います。
「ああ、結果にちゃんと関心を持っていてくれるんだな」と思うでしょう。

この時点で、次のアポを頂ける様なら売れた結果を表にしたり、グラフにして持って行ったりするのも悪くはないでしょう。
2ヶ月ぐらいした後、結果を報告に上がりたいので来週お時間を下さいと電話してみましょう。
きっと、その後の拡大に繋がります。



営業の研修として基本的なことはもう書いた。しかし、ここで終わりではないのだ。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。さらに16年には東証一部に上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。
株式会社ラクーン