期待+1
「期待+1」という言葉をCI(コーポレートアイデンティティー)にすることにした。
この言葉の意味はお客様には、「期待に1以上加えて返そう」、個人個人としては、「過去の自分を超えよう」といった意味がある。
私がよく使う言葉で、みんなの評判がいいのでこれに決まった。当面はこのCIが全社を牽引することとなる。
この言葉を理解する上で重要なのは、「誰がどんな期待をしてくれているのか?」を感じ取る能力である。
そもそもそこが間違っていたら誰も喜びはしない。間違った努力をしてしまうことにもなりえる。
だから、「誰がどんな期待をしているか?」をよく考えてからことを起こすべきである。
また、期待に対して加えるのは、1程度であることがとても重要だ。なんでもMAXで頑張る人がいるが、そのことは個人のキャパを小さくしてしまう可能性がある。
私の労働時間は決して多くはない。むしろ社内の誰よりも少ないと思う。そのため、どうしてそんなに少ない時間で色々出来るのかとよく聞かれる。
それは、「期待に1しか乗せていないからさ」と答えると、みな妙な顔をする。
意味が分からないのか、もしくは怠け者のように聞こえるからか。
冷静に考えてみて欲しい。人は何かに対峙したときや何かに誘われたとき、なんらかの期待をする。
例えば、転職者が入社直後に社長に食事に誘われたとする。その人は、どんな店に連れて行かれることを期待するだろうか。チェーン店の居酒屋だろうか、小料理屋だろうか、もしくはミシュランに輝くレストランだろうか。
このように、人は無意識のうちに期待をしているのだ。重要なのはこれに1程度を上手に加えることだ。
さらに言うならば、加えるのは1で十分であり、これに2も3も加える必要は無いのだ。
人は1多いだけで十分に印象を残す。それに対して、全ての事象に10で応えようとする人がいる。
その努力は無駄とは言わないが、そのやり方では時間や体力が不足して付き合える場面の数が少なくなってしまうかもしれないのだ。
その結果、がっかりさせてしまう人が増えてしまうかもしれない。
期待に乗せるのは1程度でいいんだよ。
そのことの重要性を理解できれば、想像出来なかったほど多くの人を感動させることが出来るかもしれないんだよ。
10日で仕上がると思われているならそれを9日で仕上げる。8ぐらいの結果を期待されると感じたら9の成果を出す。
そんなことをお客様や同僚に出来たとしたら、それもこれまでの何倍もの相手に対して、だ。
その景色を想像してみて欲しい。