日本語力の重要性

ラクーンでは、日本語の研修に力を入れている。

英語が重要と言われる昨今だが、海外関係の業務に関わらず全職種に関して得意な人がそれを担当するという方針を取っている。したがって、英語が必要な仕事に関してもそれを得意とする人が担当すればいいわけで、関係のない他のスタッフまで英語を勉強する必要はない。

ただし、日本語は全員に必要な言語だ。
私は自分が歳を取ったことを差し引いても若者の日本語力の低下を感じざるを得ない。
5W1Hがちゃんとしていないし、助詞も助動詞も敬語もなんだか変な人が増えている。外国語を重視している人にとっても、外国語はどんなに勉強しても母国語以上にはなり得ないわけで、つまり母国語がしっかりしていないと外国語力も伸びないということだ。また、誰とどこで出会っても、自分自身にしっかりとした“価値観”やポリシーがなければ、その出会いは続かなかったり広がらなかったりする。
人は自身の哲学を母国語で育てる。母国語で考え、それをまとめて物事に感想を抱き、そしてそれを人に伝え切磋琢磨する。初対面の人と会ったとき、その人の話を聞いてその人の賢さや持っている可能性を推しはかる。

ある経営者に聞いた話だが、彼は30分程度話しを聞いただけで、その人の10年後の年収を当てる自信があると言っていた。本当かどうかは10年経ってみないと分からないが、そのぐらい母国語である日本語は重要であるということだろう。

企業に勤めていると、大抵の場合文章力は向上するが、会話力にそのような傾向を感じない。
報道などを見ていると大臣や大企業のトップが配慮を欠いた発言をしてよく世間を騒がせている。彼らが若い頃から「言葉を操る能力に劣っていた」とは思えない。仮に20代の人に「話しを聞いてみたい50代の男性は何人?」と聞いたらなんと答えるだろう?あまり多くないのではないだろうか。
その50代の人たちも人生が無意味だったのではなく、「お話しが下手なだけ」なのではと思うのだ。

会話力は鍛錬を続けないと歳と共に劣化するということだ。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G売掛保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。