決まったことの経緯を分かるように記録しよう

どこの会社にも「しきたり」的なものが存在するかと思う。
それがなぜ存在するかというと、過去のどこかで何か理由があって作ったからそれらは存在するのだ。

その時の経営陣が相談をしてその「しきたり」を作ったのだろう。しかし、それが決まった際の理由や経緯が、誰もが自由に確認できる分かりやすい場所に記録されていないと、色々と不都合が起きる。時間が経過し「一体、誰が何のためにこんなルールを作ったのだろう?」とみんな悩みこんでしまったり、すでに必要のない「しきたり」なのに作られた理由や経緯が分からないため、廃止も改善もできずに困ったりすることもあるのだ。

そこで、ラクーンでは個々の「しきたり」が存在する理由やそれらが決められた経緯を記録した文章が存在する。
これを<ラクーンのなぜ>と呼んでいる。
これにより少々変わった「しきたり」があっても、その必然性を理解することが可能になる。また時間が経過して廃止や改善の必要が出てきた場合でも、その時の経営陣は意思決定がしやすくなるだろう。

守り続けなくてはならないものもあるが、それと同じぐらい時代に合わせて改良、進化させていかなくていけないものもある。

<ラクーンのなぜ>は就職内定者にも送付される。内定が出てから実際に働くまでの期間に、それを読むことにより社風を理解するのに役立つ。既存の社員に対しては、社内掲示板が存在し、いつでもこの<ラクーンのなぜ>を確認できるようにしてある。追加があった場合も全社員にメールでその内容が告知される。

いわゆる今どきの若者は“がてん”がいくととてもよく働く。逆に矛盾や不合理を感じるとぴたりと手が止まってしまう。
それを叱ったりするよりも、理由を分かるように丁寧に説明してあげることがとても大切なのだ。
言葉だけではなくちゃんと文章にしてみる必要がある。経営者といえども文章にして読み返してみると、なんだか矛盾を感じたりすることもあるからだ。
公開してから矛盾を指摘されることもあるかもしれない。この文章の存在意義からいって、そんな時はお詫びして訂正するべきだ。

矛盾を残したまま「しきたり」を押しつけるのではそもそも文章を残す意味がないからだ。

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小方 功

Isao Ogata

株式会社ラクーン代表取締役社長

1963年札幌生まれ。北海道大学卒業後、パシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。
独立準備のために30歳で会社を辞め、1年間中国に留学。
帰国後、家賃3万円のアパートの一室、お金、人脈、経験もないところから100万円でラクーン創業。
大赤字や倒産の危機を何度か切り抜け、02年にはラクーンの主力事業となるメーカーと小売店が利用する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」をスタート。そして06年にはマザーズに上場。
現在、ラクーンは企業間取引を効率化するための4つのサービス「スーパーデリバリー」「T&G売掛保証」「Paid」「COREC」を提供している。

プライベートではまっているのは釣り。あとは習字を習い中。